ここに人間についての不思議なひとつの問題がおこってくる。すなわち人間は手を動かすことによって、新しいアイデアを思いつく。

このことは文章化の段階だけでなく、グループ編成の場合にも、A型図解の場合にも同様におこることである。たんに頭で考えるだけでなく、手を動かして作業をするということが、アイデアの触発にたいしてひじょうにプラスに働くものである。

そこで私はすでに「考えるといっても、理性で考えるというのと、情念で考えるというのがある」と述べたが、さらにもうひとつ「手で考える」という、不可思議な作用をつけ加えないわけにはいかない。

手で考えるなどということは、生理学的にあるいは心理学的にどう説明してよいのか、私にはわからない。しかし実行してみて、これはあきらかに、アイデアのつくりだしに有益に作用する。

「続・発想法~KJ法の展開と応用」(川喜田二郎)

理性も情念も大事だとすれば、それと同じくらい身体を動かしてみることが「考える」「発想する」ために大事だと言ってる。

思考は身体活動に乗っかって行うと進めやすいのは、血流やホルモン分泌からしてそうだろう。

1970年出版当時は「生理学的にあるいは心理学的に」説明がつかなかったとしても、もう50年を経ようとしているいまは説明がつくようになっているのではないだろうか。

2016年芥川賞受賞者の村田沙耶香さんもこう言っている。

パソコンの前よりもコンビニのレジを打っている時にアイデアが浮かんでくる