うつ病の発症に関与しているタンパク質を特定 新たな治療法に期待 - ライブドアニュース

そりゃあそうだろう。人間はタンパク質のかたまりであり、どんな病気でも健康状態でもタンパク質の運動形態として現れている。うつ病もそうであり「元気に健康に働く」という常識からは「病気」とされることになるが、それは実は社会的な問題である。タンパク質の運動には二者択一での「良い」も「悪い」もないからだ。

「HSPを増やす薬剤テプレノンを投与すると、うつ行動が改善した」とされるが、これはタンパク質代謝のほんの一面である。ごく限られた部分をつきとめた「発見」には、薬を開発してビジネスになるぞというアプローチが介在している。大学や医療はそれが仕事なのだ。

HSPが増えることイコールうつ症状の改善といえるなら、テプレノンを飲むだけでなく、他にもHSPを増やす方法があるのではないか。HSPは熱ショックで刺激され紫外線を浴びても増えると言われている。それならば熱い温泉に入ったり、海水浴に行き日光を浴びることでもHSPが増えて、うつ行動が改善するはずである。

普段から温泉や海水浴・アウトドアスポーツに親しむのが「うつ予防」になるならば、各自そう心がけるという方策が出てくるし、余暇を取りやすい社会的な環境も問題になってくる。ドラッグストアに胃薬を買いに行くのがうつ予防だとわたしたちが思い込む必要もなくなる。

胃薬に使われている薬剤テプレノンがうつに効くぞ、というこの研究の結論はその程度の狭い話しである。

もっといえば、HSP(熱ショックタンパク質)の増大要因だけをみているのも狭い。人間はタンパク質のかたまりなのだから、熱ショックだろうが何だろうがタンパク質について知らなければ、本質的にうつ症状の改善にアプローチできない。

ヒトの身体で起こっているタンパク質の代謝は知れば知るほど複雑怪奇であり、深遠さすら覚えるもの。特にヒトの生命では自身の能動性といったことも健康と病気を分ける要素になっている。だから、うつ対策をひとことでまとめるならば「人間的にすごす」「そのための社会インフラも考える」ということになるのだが、そんなことは研究室でマウス実験をしなくても、直接知として我々が知っていることではないだろうか。

学問知として深めるなら、やはり「タンパク質の一生」として全体を捉えていきたいものである。

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