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能動的に代謝しよう

鼻呼吸のまま獲物を動けなくなるまで追い回してしとめる狩猟民族

— 2018年4月20日

先日紹介した「トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法」の中で、アマゾンの狩猟民族の運動と呼吸について取り上げていて人間の最適なエネルギー活動についての示唆になっている。

トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法
Posted with Amakuri at 2018.4.20
パトリック・マキューン
かんき出版

狩猟の際にも常に口を閉じた鼻呼吸

先住民族の研究をする人類学者のウェイド・ディヴィスが、アマゾンに住む狩猟民族と一緒に暮らしていて気づいたことを紹介している。

(中略)自身もトライアスロンをするディヴィスは、彼らの狩りに同行することを許された。狩りは早朝に始まり、ジョギングとランニングを交互にくり返しながらずっと走っている。
動物の足跡を見つけると、ランニングまでペースを上げて動物を追いかける。動物が追われていることに気づいてスピードを上げると、彼らも遅れずについていく。ハンターは粘り強く、休むことなく追いかけるので、動物も休むことができない。途中で獲物を見失ってもあきらめず、また見つけたら追跡を再開する。
このパターンが何時間も続き、ときには何日も続くこともある。
しかし最後には、ハンターの粘り強さが勝つ。獲物が疲れ果ててついに走れなくなるので、至近距離から仕留めることができるのだ。
トライアスロンで鍛えたディヴィスでさえ、狩りのペースについていくのがやっとだった。なかでもいちばん大きな驚きは、ハンターたちがつねに口を閉じていたことだ。

ウォーキング程度の運動なら「鼻呼吸」をキープすることは実際にできる。しかしこの狩猟民族は、動物を追いかける強度の高いランニング時でもずっと鼻呼吸でいるという。

現代のわたしたちにとって運動時にまで鼻呼吸でいるのはどうなんだろう?という疑問がわくけれど、もしかしたらヒトの運動と呼吸はこの狩猟民族の姿が原点なのかも知れないと振り返らせてくれる。鼻呼吸でいるからこそ、獲物が力尽きるまで粘り強く追い回す持久力も発揮できるのではないか。

ヒトが獲物を粘り強く追い回して最期に仕留める狩猟の姿は「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」にも出てくる。

GO WILD 野生の体を取り戻せ!  科学が教えるトレイルラン、低炭水化物食、マインドフルネス

「人類は走るために生まれた?」という見出しで、デヴィット・キャリアーの「持久狩猟仮説」が紹介されていて(28頁〜)、「ひたすら走り続ける」持久力と、獲物を動きを予測する脳の働きによって、ヒトが類人猿から分離したのではないかと唱えている。

ヒトの体は、鼻呼吸をキープしながら持久性の運動を続けると「獲物を」を得られるようになっているのではないか、と想像させてくれる。現代のわたしたちも鼻呼吸をキープするときっといいことがありそうだ。

わざわざ息を止めるエクササイズが必要な現代

「トップアスリートが実践 人生が変わる最高の呼吸法」では、息を止めるエクササイズによって運動能力と持久力を向上させることができるとして、その方法を注意点とともに紹介している。

しかし息を止めるとはなんとも不自然なエクササイズではある。なんでわざわざ息苦しい思いをしないと細胞への酸素供給が十分にならないのか、そんなにヒトの身体は不都合にできているのか、という疑問もわいてくる。

しかし、太古の昔は何時間も、ときには何日も、獲物をその動きを予測しながら追いかけ続けて、ようやく食べ物にありつけていた。獲物を追う間はずっと鼻呼吸だった。

それが現代はどうだろう。デスクワークで座りっぱなし、運動はしないのにやたら精神的緊張度の高い仕事をこなし、たった数時間で空腹を覚える食べ物を1日に何度も食べている。

どうやら運動および食事のあり方と、鼻呼吸か口呼吸かが連動しているように思われる。